足助の夏

間が空いてしまったが、これも変な夏の気候のせい、ではなく、単にサボっていただけである。

先日、豊田市足助町の夏祭りに行って来た。花火がなかなか良い、と前回泊った宿の親父さんに訊いたからだ。
祭りで町の中心部は通行止めになるというのでバスで足助に乗り込んだ。これがまた「おいでんバス」という なかなか味のあるバスで1時間たっぷり乗っても500円というミニバスである。ワシの乗ったバスは名鉄電車の廃線に伴う代替バス、といった 位置づけとなるルートを走るバスだったのだが、まあ、この話をすると長くなるので。
足助に着いて早速宿に荷物を置く、晩飯まで1時間以上あるとのことなので同行の長女と街並みを歩く。まだ空は明るいけど露店が並んでいて ビールとが目の毒になるようなものが売っている。が、売り子が可愛らしい女の子ではなく、商店街のおっさんが濁声張り上げているので買う気にはならない。
通りをくるっとまわっても40分程度、戻りがけにようやく女性が生ビールを売っていたので買う、大きめのコップで400円、まあ、露店の相場か。
宿に戻って食事、日本酒をコップなみなみ2杯呑む。この宿は料理旅館や温泉旅館の類では無く商人宿といった位置づけのせいか、食事は質素である。
もっとも、その方が露店で食べ甲斐があるというものである。食事を終えて予定通りまた街並みをそぞろ歩く。いよいよ人が増えてきて夏祭り最高潮、といった雰囲気であるが人混みは大の苦手である。それでも小物や土産物屋などを冷やかしながらうろうろ歩いて缶チューハイを飲んだり、また生ビール呑んだりしながら花火を眺める場所を探しているうちに、宿近くの小高い神社の石段に腰をかけて花火の時間を待つことになった。
待つこと30分ほど、途中、宿に小用を足しに往復するという小さなハプニングはあったが8時半ごろ、花火が打ち上げられた。
対岸の小高い丘から打ち上げているようで、なるほど、花火の規模は小さいようだが真上で花火が炸裂しているから、どの位置からでも見やすいようだ。花火の音も山に響いているせいか迫力のある音が伝わってくる。
花火が40分ほどで終わると大勢の人達が動き出す。足助は宿泊施設が少ないので多数が車で日帰りしてしまうせいだろうな。
宿近くの露店で餃子とピザを買って部屋に戻る。持ち込みOKなので気兼ねは無い。持参のペットボトル入りの焼酎を湯呑に入れ、さっき買ったミネラルウォーターで割りつつ餃子をつつく。
小一時間呑んで爆睡したのはいつものことである。
そんなこんなで足助の夏祭りの夜は終わったのだった。