あいさつ

毎月300kmを目標に走っているといろいろな場面に遭遇する。
その一つが「あいさつ」である。真冬以外の朝となると、ぶらり散歩する人、必死に歩く人、走る人、犬を連れて散歩する人達を見かける。
そういった人達とすれ違う時に「おはようございます」とか「こんちわ~」といった言葉を交わす時がある。
自分の場合、こちらから積極的に言葉を発することはまず無く、相手があいさつしてきた瞬間にあいさつを返すのがほとんどである。
ただ、地元で朝、堤防や河川敷を走る時は自分から積極的にあいさつをすることが多い。
地元を大切にしたい、というか、田舎っぽい風景を走るせいであいさつしたくなる感情が高まるのであろうか。確かにあいさつすると心地良い感じにはなる。
しかし、あいさつも時と場合による。
先日、朝5時頃から地元の田んぼ堤防河川敷をキロ6分を切るペースで走り、最後に自宅へ戻る坂を駆け上がっている時に前から坂を下ってきている爺さんが「お、頑張っとるな、おはよう!」
と話しかけてきた。上り坂の途中で息が苦しいがあいさつを返さない訳にはいかないので、すれ違いざま「おはようっす」と返したが爺さんにははっきり聞こえなかったようで、でかい声で再び「おはよう~!」
と言った。すでに爺さんとすれ違った後だし息も苦しいし、ちょっと気違い風の爺さんだったので無視して走り続けた。
そもそも「はっはっふ~、はっはっふぅ~」と苦しげな呼吸をしながら坂を上ってくるおっさん(自分)にでかい声であいさつを仕掛けてくること自体が異常である。
そう、いままでもこうゆう状況は数多くあったが、たいていの人は「ああ、苦しそうに走っているなあ、馬鹿みたい」と思い、あいさつをして来なかったのだ。
逆の立場だったら自分でもそう思うであろう、あいさつをするほどの余裕が無い、と判断するからだ。それが普通じゃないのかな。
くだんの爺さんは下り坂を悠々と歩いてきたのだから天気は上々気分は高揚しているかもしれないが、こちらは必死で走っているのだよ。
全く困った爺さんである。
あの日から地元で早朝ランする時、あの坂を走らないようにしている。爺さんに出会いたくないからだ。