お得な話

昨日は結局走らなかった。というか、走る気力を無くしてしまった。寂聴さんとアラーキーの公開対談、というものを定員千人のホールに見に行ったからである。
ホールはほぼ満員だったが、イベントそのものはほぼ想像通り、大変ためになる、充実した内容では無かった。
見応えとしては、ご高齢のお二方の健在振り及び衰え振りを拝見できたことと、阿川佐和子さんのさすがのコーディネーター振りが冴えていたことである。
まあ、阿川さん含め、3人の出演者の誰かのファンでない限り、ほほ~、ちょっと出かけて見ようか、というイベントでは無かったことは間違いない。
参加者のうち比較的高齢の方々はおそらく寂聴さんのファンであり、このイベントの発端であるアラーキー作品の展示会にまだ、行っていない人の割合から推定すると参加者の約7割を占めるものと思われる。 残り3割の半分ずつがアラーキー又は阿川さんのファン、といったところかも知れない。いやいや決してアラーキーの人気が無い訳ではなく、 アラーキーのファンはこういったイベントに足を運ぶタイプの人が少ない、というだけのことであり、しかもワタクシの勝手な推定である。ワタクシが数少ないアラーキーファンの例外かもしれない、ということである。
同行した妻は当然、寂聴ファンであり、メインゲストであるアラーキーよりも喋った時間の短かった寂聴さんについて、寂聴さんファンはちょっと物足りないだろうね、との感想。
そりゃそうだよ、寂聴さんのソロ講演会じゃないんだもん、と答えるワタクシ。
今回のイベントの入場料は1500円、チケットを美術館に持って行けばアラーキー作品の展示会を見ることができるそうな、この額ならお得ではないか。
しかも、妻はおそらく美術館には行かないのでワタクシが2回行けることになる、もっとお得なのである、うしししし。
実はこのイベント終了後、走って家に帰ろう、と企画していたのだが、イベントが終了した途端、走る気を無くした。
これはイベントが面白くなかったからではなく、むしろ十分に満足してしまったための反動による無力感が原因である、ということにしておこうっと。